PSB Makerはメダカの稚魚育成やアクアリウムの水質改善に使用されるPSB(紅色非硫黄細菌)を誰でも簡単に培養することのできるPSB培養専用機器です。
PSBに適した光の照射と温度管理が常に行われるため季節や場所を問わず安定してPSBを殖やすことできます。
PSBの濃度(ペットボトルの濁度)を常に測定し、0~999の数値でディスプレイに表示します。人の目ではわからない微妙な濃度の変化を捉えることができ、いつでも安定した濃度のPSBを作ることができます。
面倒な機械の操作はありません。種PSBとエビオス錠と付属の撹拌子を入れたペットボトルを本体にセットするだけです。PSB Makerはペットボトルを検知し、赤外線照射、保温、撹拌、培養完了時のアラーム通知までを全て自動で行います。
PSB Makerの機能は大きく分けて赤外線照射、温度管理、自動撹拌、濁度の監視の4つです。それぞれを詳しく見ていきます。
PSBと呼ばれている紅光合成細菌は植物とは異なる波長の光で光合成を行っています。植物が400nm~700nmの可視光を主に利用するのに対し、紅光合成細菌は700nmを超える赤外線(遠赤色光)を利用します。
PSB Makerは紅光合成細菌が最も吸収すると言われている880nmの赤外線を中心に740nm~940nmまでの幅広い波長の赤外線をペットボトルに照射します。これにより高い効率と速い速度でPSBを増殖させます。また、可視光を照射しないことにより緑藻類の繁茂がないため、自然光を利用するよりも純粋なPSBの培養が行なえます。
※赤外線LEDの光は非常に暗く、あるいは点灯していないように見えますが、これは赤外線が人の目に見えないためであり故障ではありません。暗所ではわずかに混じっている可視光領域の光によりペットボトルが赤く光っているのがわかります。
PSBを含む多くの紅色硫黄細菌や紅色非硫黄細菌は至適生育温度が30℃台といわれています。PSB Makerはセットしたペットボトルの温度を常に監視し、およそ30℃に保温します。底面から加温を行うため撹拌時以外も培養液に緩やかな対流が生まれます。
本体の樹脂部分は3Dプリンターで出力されています。3Dプリント出力品特有の中空構造は断熱性が高く、ヒーターはわずか4Wという低消費電力でペットボトルの保温を実現しています。
付属の撹拌子をペットボトルに入れておくことで12時間毎に自動で撹拌が行われます。この撹拌によって下部に沈殿しているエサ(エビオス錠)を舞い上がらせPSBの増殖を促進します。手でペットボトルを振ったりする必要はありません。
また、PSB培養とは別に撹拌機能を単体で利用できるマグネチックスターラーモードも用意されています。
PSBの濃さの微妙な違いや変化は人の目ではなかなか読み取れないものですが、PSB Makerは刻々と変化する培養液の濃度変化を0~999にまで細分化された数値で表示します。
濁度が999に達すると、赤外線照射やヒーターがOFFになるとともにアラーム音が鳴り培養完了をお知らせします。
培養完了までの日数の目安はおよそ3~5日程度です。
本体の内部では赤外線の照射位置と対になる位置に赤外線を感知するセンサーが設置されています。このセンサーがペットボトルを透過してくる光の強さを計測し液体の濁度が判定される仕組みとなっています。
培養中は現在の動作状況やおおよその濁度がひと目でわかるインジケーター(ランプ)が点灯します。
少しでも消費電力が抑えられるよう赤外線LEDの効率化や断熱の工夫を凝らしました。
培養時の消費電力は3~7W、スタンバイ時や培養完了後は0.5W以下となっています。
使い方とPSBが出来上がるまでの様子をタイムラプスでご覧ください。
※本商品にはペットボトル、種PSB、エビオス錠は付属しません。別途ご用意いただく必要があります。
詳しい培養方法は取扱説明書をご覧ください。
説明書は商品に同梱されていますが、こちらからPDFファイルをダウンロードすることもできます。
取扱説明書 |
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PDFファイル(206KB) |
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